椅子にもたれかかるようにして目を閉じた女性。白衣の襟元からのぞく黒のインナー、身体のラインを強調するベルト。
この病院で密かに活動していた悪の組織の潜入員は、“診察”と偽り、訪れたヒーロー関係者を襲撃する任務を負っていた。白衣の下に隠された黒いスーツは、その正体の名残を物語っている。

彼女は椅子に座っていた。ただそれだけだった。

目を閉じている。何かを待っていたのだろうか。

白衣の下に覗く黒。日常の中に、非日常の色が滲む。

目元のピンクが、彼女の“役目”を語り始める。

正体はもう、隠せない。

これは医師ではない。戦闘員だ。
ヒーローに倒されたあとの、静かな残骸だった。